回復期リハビリテーション病棟
- 回復期リハビリテーション病棟とは
- 回復期とは、急性期治療が終わり、病状が安定しはじめた発症・術後から1〜2ヶ月後の状態をいいます。この回復期に集中的なリハビリテーションを行うことは身体機能や日常生活動作(ADL)の改善に最も効果的です。この回復期という大切な時期に集中的なリハビリテーションを行い、低下した能力を再び獲得し家庭や社会に戻るための病棟を回復期リハビリテーション病棟といいます。
- 多職種によるチーム医療体制
- 入院中は、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・ケアワーカー等、各チームスタッフが患者さまに関する十分な情報交換をもとに検討を行い、目標を設定した上で、その目標に向かって総合的にアプローチします。
- 365日充実したリハビリテーションの提供
- リハビリテーションは、日曜・祝日も含め365日、個別療法(マンツーマン)で最大1日9単位(3時間)実施できる稼働体制をとっています。内容は、それぞれの心身の状態などに応じて、理学療法(PT)、作業療法(OT),言語聴覚療法(ST)を組み合わせた、個別のプログラムを行います。病棟では、患者さん・ご家族が安心してリハビリテーションを受けられるような環境を整備しており、健康管理を行いながら、生活に必要な身の回りのことなど、自分で出来ることを増やしていくための援助を行います。ここでは24時間、生活そのものがリハビリテーションです。
- 退院後の生活を安心して始めるためのバックアップ体制
- ご自宅での生活に戻られる前に、リハビリの担当スタッフにより、患者さまと一緒に訪問させていただき、身体や動作の状況に合わせた住みやすい環境整備に向けて具体的な家屋改修案をご提案しています。また、医療・福祉制度の活用なども併せてご提案させていただき、退院後の生活を安心して始められるよう、しっかりとバックアップしていきます。
- 必要なら高井病院で外来診療を継続
- 退院後は自宅生活の中で、動作能力の維持や改善を行うのができればベストですが、必要性や状況に応じて、高井病院の外来でリハビリテーション診療を継続することもできます。また、外来診療に役立てるため、入院中に得られた詳しい診療情報を提供するので退院後も安心です。
- 急性期病棟との緊密な連携体制
- 当院は急性期病棟を有しており緊密な連携体制を整えています。もしもの体調変化にも速やかに対応し、安心してリハビリテーションに専念していただきます。
入院可能な対象疾患
疾患 | 疾患入院限度日数 | |
---|---|---|
1 | 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷の発症もしくは手術後、義肢装着訓練 | 150日以内 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日以内 | |
2 | 2肢以上の多発骨折、大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の骨折もしくは手術後 | 90日以内 |
3 | 外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後 | 90日以内 |
4 | 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靭帯損傷後 | 60日以内 |
5 | 股関節又は膝関節の置換術後 | 60日以内 |
回復期リハビリテーション病棟センター長より
リハビリ成果・実績(2020年度)
回復期リハビリテーション病棟における、在宅復帰率、平均在院日数、重症患者改善率や歩行・食事・排泄の回復についての実績はこちらをご参照ください。
-
- <在宅復帰率>
- 入院患者さんが在宅に復帰した割合 / 93.4%
- *在宅とは、生活施設を含みます(介護老人保健施設は含みません)。
-
- <リハビリ実施単位>
- 患者さん1人1日あたりのリハビリ実施単位数(1単位:20分) / 5.4単位
-
- <平均在院日数>
- 入院から退院までの日数 / 54.1日
-
- <新入院患者重症度割合>
- 入院時の日常生活動自立度FIMが55点以下であった患者さんの割合/ 36.9%
-
- <アウトカム評価>
- リハビリテーションの効率と実績を日常生活動作自立度FIMをベースに計算された指標 / 67.8
-
- <重症患者改善率>
- 入院時身のまわり動作に介助を要し(*全介助を除く)、排泄に見守り・介助が必要であった患者さんが、退院時排泄が自立した方の割合 / 87.3%
-
- <排泄自立率>
- 入院時身のまわり動作に介助を要し(*全介助を除く)、排泄に見守り・介助が必要であった患者さんが、退院時排泄が自立した方の割合/ 87.3%
-
- <歩行獲得率>
- 入院時身のまわり動作に介助を要し(*全介助を除く)、歩いて移動できなかった患者さんが、退院時に歩行できるようになった方の割合 / 86.8%
-
- <食事摂取可能率>
- ●非経口 ⇒ 食事摂取可能率
入院時口から食べていなかった患者さん(*全身状態不安定な方を除く)が、退院時何らかの形で口から食べられるようになった方の割合 / 85%