放射線治療
施設認定
日本放射線腫瘍学会(JASTRO)認定施設
日本医学放射線学会(JRS)認定専門医修練施設
放射線治療とは
放射線治療は、主に高エネルギーのX線を身体の外部から照射する治療法で、手術療法・抗がん剤などの薬物療法(化学療法)とともにがん治療の三本柱の一つで重要な役割を果たしています。
放射線治療のメリットは、体にメスを入れることなく、がん細胞を死滅させ、形態や多くは機能の温存が可能で、ほとんどの場合日常生活をしながら治療を行うことができます。じっとしていれば治療装置が適切に放射線を出しますので、高齢の方や体力のない方でも治療が出来る場合が多いです。動きが問題となる部位では、お面のようなものをかぶったり、身体の外側を固めるような道具を用いる場合もあります。
原則として1日1回平日に行い、1回の治療は入室から退室まで十数分の場合が多いです(治療内容によっては1時間程度かかる場合もあります)。 正確な放射線治療を行うために、位置の確認に時間を要しており、放射線が出ているのは数分程度がほとんどです。
治療装置
画像誘導放射線治療(IGRT)を搭載し病変の位置を正確に確認でき、ピンポイントで治療を行うことが可能です。
当院の放射線治療の特徴
- 高精度治療が可能頭部、体幹部の病変部にピンポイントで照射する定位放射線治療(SRSまたはSRT)ができます。
病変部に線量を集中させつつ正常組織の副作用を軽減させる強度変調放射線治療(IMRT)または強度変調回転照射(VMAT)など最新技術での治療ができます。 - 早期の治療開始当院ではできるだけ早い治療開始を目指しており、病状や患者様の事情などによっては診察当日からの治療を開始します。また体調や治療内容にもよりますが、お仕事の合間に外来での治療を受けていただくこともできます。
- CBCTによる位置合わせ(臓器合わせが可能)当院のリニアックによる放射線治療は、高精度放射線治療だけでなく一般的な外部照射治療にもX-ray Volume Imaging(XVI)によるCT画像(CBCT)の撮影を行い、位置合わせを行っています。これによって見えにくい軟部組織などを詳細に確認でき、6軸補正寝台と併用することによってmm単位での臓器による位置合わせをしています。
頭部定位放射線治療
肺定位放射線治療
前立腺の強度変調回転照射(VMAT)
XVIによるCBCTの撮影
位置合わせ(肺がん4D-CBCT)
6軸補正寝台
治療対象
当院ではリニアックによる強度変調回転照射や、ガンマナイフとリニアックによる定位放射線治療が行えるため多くの腫瘍(特にがん)を治療の対象にしています。
脳腫瘍(原発性、転移性)、頭頸部がん(喉頭がん、咽頭がん、口腔がん、他)、食道がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、子宮がん、悪性リンパ腫、骨腫瘍(原発性、転移性)、軟部腫瘍(肉腫)などのほとんどの悪性腫瘍が適応となります。放射線治療は化学療法と併用しながら行うこともあり、手術の前あるいは後に行うこともあります。また疾患、状況によって放射線治療は根治的(治癒的)に用いることや、対症的(症状緩和)に用いることがあります。治療回数は、1回~39回と状況に応じて非常に幅があります。
当院では腔内照射を行えないため、子宮頸がんなどの腔内照射は奈良県立医科大学附属病院に紹介しています。
治療実績
平成26年度治療実績
放射線治療症例 405症例 (新規 369症例)
高精度放射線治療
IMRT (VMAT)26症例
定位放射線治療 210症例
リニアック 23症例 ガンマナイフ187症例)
スタッフ
- 医師
- 常勤 3名(放射線治療専門医)
非常勤 1名 - 診療放射線技師
- 6名
(認定資格)
放射線治療専門放射線技師:3名
放射線治療品質管理士:2名
医学物理士:4名 - 看護師
- 1名
(平成29年)
医師:患者様の診察を行って最適な治療方針を決めるとともに、がんの状態や病状、全身状態を把握し、適切な放射線の量や照射部位、期間等の放射線治療計画を行います。治療中は効果や有害事象を把握し、適宜必要な処置を行います。